交通事故の後遺症
カワ子1
今日、新患さんの女性にカワの操体だけでやってみました。
問診して、そのままイスに腰掛けた状態ではじまりました。
ベットは使いませんでした。
頭痛、吐き気、腰痛、左手しびれ、アゴガチガチにこり。
八年前、左からドーンとぶつかられた事故で
顔面にキズは残っているし左肘も見事なキズでした。
後頸部がゴリゴリ、アゴは両方咬む筋肉がゴリゴリで
咬む力が入らない。
歯医者さんからの紹介でした。
この女性は33歳、カワ子と名付けることにします。
はじめに、私は腰掛けているカワ子の後ろから
両方のアゴをほんのちょっと触れる程度に2、3、4指の腹で
軽く押さえてみました。
「気持ちのいいように動くと、早く直るって知ってましたぁ? 」
「いいえ」
「ここ、こうしてもらっているとどうですか、なんとなくイイ感じはないですか? 」
と、話をしている時点で、カワ子の右足がにゅにゅーっと
伸びだしました。
「おっと、きたぞー、早いなぁ」と私は思いましたが、
「やっぱり動くねぇ」
と少しニコニコいいました。
「いろいろなところが、ひとりでに動きますから、ほらほら右手も動いてきたねぇ、」
とぴくぴく動き出した手を見て笑いました。
「おもしろいでしょう、からだってぇ、自然に治る動きをするようになっているんですよぉ」
と私。
カワ子は頭をゆーらゆーらとゆらしはじめました。
私は顎を押さえたままです。
凝っていたアゴの筋肉が、ふにゃふにゃになってきていました。
「私、いろんな治療を受けてきたんですけど、こんなのはじめてですぅ」
「そうでしたかー、でも、なんとなく気持ちがいいでしょう? 」
「なんか、勝手に動いて変な感じですけど、キモチイイですぅ」
「止まるまで、勝手にさせておいていいですから、いい感じを味わってねぇ」
しばらくして、足、手、頭の順に動きが止まりました。
これで、かすんでいた目がくっきり見えるようになり、頭痛も少し残っている程度になりました。
ここから、カワ子の左右の前腕のかわを、むにゅーっとねじる操法をやりました。
これもびっくりしました。
つづく
カワ子2
最初は京都のお笑いビデオで習った、左の前腕を両手で内と外にねじる動きを、じゅわーっと調べました。
「内側とぉ」
と言ってねじりはじめたらむにょーっと肘が浮いてきて、肩が上がって全体が動きました。
「これって、自分で動かしましたぁ? 」
と私。
「いえいえ、なんか手をねじられたら、からだが動いてしまうんですぅ」
「なんだとおー、京都のお笑いビデオは、本当のことだったのかぁ」。(^_^;)
と思いましたが、カワ子に説明していると長くなるのでいいませんでした。
そして、私はゴルフのバックスインクをへっぴり腰でやっているような格好で
「おもしろいでしょう」
ともじもじ手を持ちかえていいました。
「抜きたくなったら抜いてよぉー」といつもはいうのですが、ここで「知らんぷりしててみよう」と、ふと感じました。
しばらくだまって、かわをねじっていました。
1分位だったと思います。
ヒマもてあまして私は
「今まで生きてきて、こんな格好したことないでしょう」
と少し笑っていいました。
私もこんな格好の抵抗はかけたことがありませんでした。
カワ子は、盆踊りをスロー再生していってピッと
止めたようなポースで
「ほんとですよねー」
とクスクス笑いました。
私もここぞとばかりに、遠慮なく笑いました。
笑っていたら、勝手に再生がはじまり
スロー盆踊り大会はおわりました。
カワ子は今体験している現実と、自分の過去の常識との
ギャップをどう埋めたらいいのかを考えているようでした。
「からだっておもしろいでしょう」
そう言って私は反対の腕に移りました。
左肘の所に7センチ位のキズがあります。
私はそのキズを両手で包み込むように持ちました。
手の平のカワの力を抜いて、ぽやぽやの手にしてやさしくそっと当てました。
じっとしてボーッとして貼り付けていると、キズグチの細胞がミリミリしびれているような感じがしました。
「手、シビレますかー? 」
と私はきいてみました。
「はいっ、手の平がよくしびれるんです」とのことでした。
「おっ、当たったー、」と思いましたが
問診の時きいてたのをわすれていただけでした。
ここのカワも内ねじりのスロー盆踊りで
反対の手首と指がカクカク動いていました。
頭も、海中のワカメがゆれ動くように動いていました。
これで手のシビレが消えました。
立って歩いてもらったら、いい顔になっていました。
「ここに来たときの体調の悪さが10だとしたら、今はどれぐらいですか? ・・・・5位になったかな? 」
と私はききました。
少し考えて
「2ですね」
とカワ子はカワイイ顔でいいました。