過敏性大腸炎

過敏性大腸炎の70才の女性(さくら)が来院しました。

この人は錬堂先生のYouTube動画を見てまねして
自分でもやってみたら身体が軽くなったので診てもらい
たくなったと言っていらした方でした。

錬堂先生のYouTube動画大人気ですね。(^^♪

いろいろと問診をしてからベットに腰かけてもらい、
私が背中や肩や腰を触診して言いました。

「いいカラダですねー!」

産まれてから70年も生きられて今ここにいるのですから
いいカラダに決まっています。

多少背骨が曲がっていたり凝っていたりするかも
知れないけれども、曲がって助かっていることも
たくさんあるわけなので私はいつも本気でからだにそう言ってしまいます。ここ大切です。

次に動診に移ります。

ここでいつもはコンタンに代わるのですが、
昨日はなぜか私がそのままお仕事をするのでした。(^^♪

さくらは右足首が背屈しにくく、左股関節が屈曲しにくい。
(右足先を上げにくく、左の膝が上げにくい)
そう言って首をかしげて私を見ました。

天城流湯治法では、大腸を整えるときは左の大腿内側の
膝の少し上の所をはがしたりほぐしたりします。

私はしゃがんでさくらのそこを軽く押して調べてみました。
さくらはちょっと押しただけでも痛がって顔をしかめました。

私はさくらに「自分でも少し押してみてごらん」と言い、
さくらも少し押しただけで痛いことがわかったのでした。

さくらの足は、なんとなく表面が過敏になっているように
感じたので私はそこを刺激することはしませんでした。

それよりなにより右足首と左股関節のズレが気になって
仕方がなかったのです。
さくらの全体を観ていたら、右足首が私を呼びました。
(なんとなくそんな気がしただけ)

これはネンザというか関節が緩んで曲がって腫れているようでした。
「自動車で言えば、ここパンクしていますね」
私の得意なパンク解説です。

さくらは「人間もパンクするのかぁ?」てな顔で自分の右足首を
気にしています。

私は「ちょっとパンク直しますねー」と言ってへらへら言い、
「こうやって関節に圧をかけると関節が動きやすくなって、
少しだけ誘導すると骨が勝手に元に戻ってくるんですね」

「骨って自分で動いて元に戻るんです。ただそのきっかけをこうして
作ってあげないと骨も戻れないみたいなんですね」

「戻るときはいい気持ちがしますから、味わってみてください」
「なんかいい気持ちですぅ」とさくら。

「これでさっきやりにくかった足首の背屈をやってみてください」
「上がる、直った」

それだけでなく左大腿を押しても痛くなくなってしまったのだ。
歩いてみてもらうとスイスイ歩きやすくなりました。

つぎに左股関節の調整です。

左股関節が屈曲しにくいときの施術はいろいろと
ありますが、最初にやってみたのが天城流医学の
左鎖骨下(小胸筋)のはがしでした。

これで股関節の屈曲が楽になる人が多いのですが、
さくらの脚は良くなりませんでした。
なので仰向けになってもらい、私がさくらの膝下を
持って股関節を少しずつ屈曲して検査をしました。

検査の仕方は注意点が何個かありますがここでは省略します。
曲げて行きながら重さや左右の膝の高さの違いを見ます。
左が重くて上がりにくく、左膝が2センチ位高く見えます。
これは股関節の骨の操体が効きそうです。
左を上にして横に寝てもらいます。

私は右手で腸骨を、左手で大転子の少し下に触れました。
両手に硬さを感じたので、さくらにも大転子の辺りの硬い
所に触れてコリ感を覚えてもらいました。

「硬いでしょう。関節が少しズレると、それ以上ズレると
困るのでその周りの筋肉が硬くなって護ってくれるように
なっているみたいなんですよ」
「それで関節が元の位置に戻ると護る必要がなくなって
一瞬にして柔らかくなるんです」
「こうしてやさしく関節に心地のいい圧をかけてあげると
直りやすいんです」
「ほら、さっきまで硬かったここ、柔らかくなったでしょう」
「あら、ホントだ!」

さくらの股関節は良くなって膝もスイスイ上がるようになりました。

まず、圧をかける前に関節の角度を調べます。
直りやすい角度にくるとコリが少し柔らかくなります。
これを手の平全体で確かめて、その手で圧をかけます。
関節が直って硬くなっていた筋肉が柔らかくなるときに
快感が生まれるような気がします。
関節の角度づくりと触診、圧の度合いなどがわかるように
なると楽しい治療の時間になります。

さくらの左股関節は今は何とか大丈夫になったようでした。
でも歩き方を見ていると、さくらは無理して姿勢を良くしようとしているようにみえます。
「もしかすると頑張って姿勢を良くしていません?」
「はい、姿勢が悪いといけないですよね」
「いやいやそうやって辛いのに良い姿勢を無理して作るから
内臓の働きも悪くなるんです」
「姿勢を良くしてお腹に触れてごらん、、、ほら硬いでしょう」
「楽な姿勢になってごらん、ほら柔らかくなるよね」
「どっちがいいと思います?」
「楽な姿勢!」
「はい、今はできるだけ楽な姿勢でいることを心がけてくださいね」

姿勢は無理して良くするものではなく、バランスが整ってきて、
良い姿勢が楽になればそれが理想なのかもしれません。

さくらの二回目の治療の日がやってきました。

「せんせぇ、あれからホント日に日に調子が良くなって、
便通もいいし、なによりお腹が張って辛かったのが
直ってたくさん出ていたオナラもほとんど出なくなりました。
すごいですね。
昨日は蔵王に行ってお釜の所から地蔵岳に登ってきました。
なんかねぇ、私からだが楽になって、心も軽くなった
感じがするんです。
せんせぇにもっと背中を丸くして楽にしていいんだよって
言われて、からだの変な力が一気に抜けたみたいなんです。
だからなんか私嬉しくてねぇ、、、」

さくらは涙をこぼして言いました。

さくらの主訴は実は右膝痛と右股関節痛で、
整形外科にも通っていてお医者さんからは膝の手術を
勧められていたのでした。
膝や股関節の手術はすべき時もありますから、
そこはお医者さんとじっくりと相談して納得した上で行いましょう。

私の治療院では、手に負えない患者さんは、
操体法や天城流医学もご存じの、上杉山整形外科の
伊澤亮平先生を紹介しています。
(診察、検査などは予約制なのでご注意ください)

さて、さくらです。
今日は起きあがる時に右腰が痛いとのこと。
でも10分ほど動いているとひとりでに直るらしい。
そして歩いているときに右足先が外に向いている感じがして
変なのだけど、足を見てみるとまっすぐになっていると。

コンタンがそそくさとやってきて、立った姿勢で
三軸操体のねじりバランスの整え方を教え始めました。

コンタンは、立った姿勢で合掌してからだを左右にねじって
動きの検査をしてみるようさくらに言いました。

私は窓際で立ってそんなやり取りを見て遊んでいます。
バランスが取れていれば合掌している中指の先が大体90度
動きます。

さくらは右に30度、左に90度でした。
コンタンは、左に20度ねじった位置から左にたおしながら
少しおじぎをするように言いました。

さくらは自分では言われた通りに動いているつもりのようでしたが
最初はさっぱりダメでヘタでした。(^^♪

でもコンタンはニコニコしながら、合成の仕方を教えてあげます。
そしたらさくらもニコニコ上手に合成ができて、右も90度
動くようになりました。

びっくりするさくら。

これで歩いてもらったら、まっすぐに歩けるようになりました。
なんでなの~?。
さくらの三回目の来院日でした。

「先生、なんか最近脱肛がでなくなって、、、」
「えっ脱肛?そんなことカルテに書いていないですよー、
でもよかったですねぇ」

左の股関節はやっぱり大腸や肛門などと関連がありそうです。
今日のさくらは右足首が変な感じらしい。
ベットに腰かけて宙に浮いた足首をいろいろと動かすさくら。

足先を下げる(底屈)」と膝の前が苦しいという。

「下げにくいときはどするんだっけ?」
えっ?、と首をかしげるさくら。
「苦しい動きの反対の方向に動かせばいいんです」
「ちょっと私がこうしてオサエテおきますから、足先を少し上げて
みてください」

足先が上がってきました。
私はその足を適宜いい角度で止めて関節内部に圧をかけるようにして
あれこれ言って確認し、瞬間脱力に導きました。
これで膝の前が良くなりました。

突然さくらが「家でこうして足首を固定して足先グルグル回しているんですけどねぇ」といいました。
「それ、やめたほうがいいかも」
「えっ、なんかでみて足首のむくみがよくなると思って毎日グルグルやっていました」
「回しても気持ちよくないでしょう」
「はい、回すと苦しいんです、、、」
こうして良かれと思ってやっていることが、からだに合わないこともあるわけで、そういうことにも気を配って仕事をしなさいと教わった気がしました。

つづく、かも。

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