身体が治る仕組み

操体法は原始感覚の「快感覚」を指標に身体を動かすこと重視します

原始感覚とは、つきつめると【快・不快】です。
※【快・不快】の例【きもちいい・きもちよくない】

きもちよい感覚(快適感覚)を味わうことで身体の治るチカラが働き、様々な症状が改善する仕組みになっています。

きもちよい感覚を感じると、脳の快感中枢が刺激され
脳の各所から麻薬様小型蛋白質(副腎皮質の機能を高める物質)が分泌された後、
副腎から「副腎皮質ホルモン」が分泌される仕組みになっています。

副腎皮質ホルモンとは、
現代医学ではリウマチ、皮膚炎、ぜんそくなど
広い意味での自己免疫疾患や難病の最後の切り札として副腎皮質ホルモンが治療薬として処方されます。
この薬は最初はとても効果があるのですが、どんどん使う量が増えると副腎自体が萎縮して働かなくなってしまう副作用があります。

しかし、自分の身体の中で作られた副腎皮質ホルモンはどうでしょう。
炎症を抑え、体のバランスを整え、副腎自体も健全にし、自分の病気を自分で治してしまうのです。

気持ちがよかったと感じたとき、身体の中で自動的に生み出される
リスクのないクスリが全身に行き渡る様になっているのです。

今先生の操体理論

60点 (2)

操体とは、橋本敬三先生が名付けてまとめた
【快適に満足して充分に生きてゆく】ための道しるべです。

快適に満足して充分に生きてゆくとは、どこにも不具合のない完璧な心身
それは100点を追求するものではありません。
60点くらいで間に合えばよいのです。

100点を目指してしまうと、不安感や恐怖感が心の中に生み出され、
それを解消しようと頑張りすぎてしまい、生きてゆくために最も大切な
【感覚】を鈍くしてしまうのです。

人は、ある程度のバランスが保てていれば、快適に生きてゆけるようになっているので
「60点で間にあっていれば充分」という気楽な考え方がポイントです。

60点

息・食・動・想・環

画像の説明

生きてゆくには自分でしなければならないことが「4つ」あります。

呼吸、飲食、運動、想念の4つです。
この4つの営みと環境を含めた5つがいつも関連し合い、補い合ってからだのバランスを保っています。

それぞれの営みの中で味わった原始感覚(快・不快)により
歪み(筋肉などのコリや関節のズレ)が多くなったり少なくなったりしているのです。

悪くなる順序
原始感覚の不快感 → 歪み → 痛み → 機能異常 → 病名診断 (ケガなどは別です)

良くなる順序
原始感覚の快感 → 歪み消失 → 痛み消失 → 機能異常消失 → 病名消失 (治らないものもあります)

歪みが多くなる時は不快感を感じ、少なくなる時は快感を感じる。
そういう仕組みになっているということです。

原始感覚の快感は、その快感がずーっと続くわけではなく、後に「なんともない状態」
に安定するためのひとときの快感です。

-10(不快感)に+10(快感)を加えて=0(なんともない状態)
こんなイメージです。

バランスは60点が目標です
(間に合えばいいのです)

呼吸について

呼吸法にはいろいろな種類があります。
原始感覚からみると、からだの歪み具合によって呼吸の仕方が変わります。


鼻呼吸をしてみると、深く長く吸うことができますが
口呼吸をしてみると、浅く小さくしか吸うことができません。


鼻呼吸の重要性について


鼻で呼吸をしてみると、冷たい空気が脳へ行き渡り脳を冷却するようになっています。

口呼吸では脳を冷却できなくなり、頭に鬱熱(うつねつ)が溜まります。
頭に鬱熱がたまると脳が膨張し、頭痛、めまいなどの症状が出てきたり
精神的なところに影響がでたりすることがあります。

また、Jon O. Lundberg先生の研究によると
副鼻腔は一酸化窒素(NO)を作り出す重要な場所であるということが明らかになりました。

一酸化窒素というと、大気汚染を思い浮かべる方もいるかもしれませんが
少量だと細菌やウィルスを殺菌する効果があるそうです。

副鼻腔は鼻と小さな穴でつながっていて温かく湿っているので
細菌やウィルスにとっては格好の繁殖場所になります。
しかし、副鼻腔を覆っている粘膜が一酸化窒素を出すことで
細菌やウィルスを排除しているそうです。

また、副鼻腔で作られた一酸化窒素には血管を広げる効果もあるそうです。
この微量な一酸化窒素は鼻呼吸をすることによって肺に運ばれて
酸素を取り込む能力が向上する役割を担っています。

食事について

1.自分の歯と食べ物の関連性

人の歯の種類と数に合わせたバランスで考えると以下のようになります。

臼歯16本=穀類用
前歯8本=野菜用
犬歯4本=肉類用

このようなバランスの歯並びだと
穀類4・野菜2・肉類1の割合で旬のものをよく噛んで
腹八分目に後味良く食べるのが理想的です。

近年の研究では、人の歯はそれぞれ生え方も違えば
本数の違いもあることから、その人の身体に合った食べ物が
違うということが明らかになってきました。

例えばお肉やホルモンなどたくさん食べると元気になる人
お野菜をたくさん食べると元気になる人
ナッツ類をたくさん食べると元気になる人
お魚をたくさん食べると元気になる人
果物を食べると元気になる人

その人の身体が必要としている食べ物は
それぞれ異なる可能性があるのです。

世の中に出回っている食事療法や健康にいいとされる情報は
全て正しい情報と思われます。

しかし自分に合っているか合っていないかは別ということになります。



2.消化の時間、代謝の時間


体内で食べ物の消化が始まる時間は10時〜14時の間に行われると言われています。
食事をしてから最初の1時間目は発酵が始まり、2時間目は消化、3時間目は吸収という流れがあります。
この10時〜14時の時間帯に食べ物が胃に入っていないと
身体に蓄積されているエネルギーを消費するため
体力が落ちたりしてしまいます。

代謝の時間は22時〜夜中の2時となっていて
この時間帯に食べ物が胃に入っていると消化をするために胃が働かなければいけなくなります。(仕事でいうと残業)
そのため新陳代謝が悪くなり、肌荒れの原因や顔色が悪く見えたりすることがあります。


3.食べ物をよく嚼んで味わうことを「咀嚼」といいます


身体の不調の始まりのほとんどは、この咀嚼不足からくると言っても過言ではありません。
咀嚼がきちんとできていている人はゴックンと喉の筋肉を使って飲み込むことは少なく、自然と喉を通って胃に落ちていきます。また、咀嚼をするときには幸せホルモンが分泌される筋肉が適度に刺激されるので、自然と気分がよくなったりすることがあります。
咀嚼回数は最低でも47回を目安に行います。

咀嚼する際にあたって最も重要なポイントは、唾液がしっかりと出るバランスであるか?

人には耳下腺、顎下腺、舌下腺、それから粘液線(現在の解剖書には記されていません)この4つの唾液腺が正常なバランスであると、多少咀嚼が足りなくても不調になりにくいです。唾液腺にはそれぞれ味があり、耳下腺は少し苦い味、顎下腺は少し塩味がして、舌下腺は渋く少し苦い味がします。粘液線は無味に近くシャワーのように出てくる感覚があります。

唾液は1日に1500ccから1800cc出ると言われており、1日に水を飲む推奨量も1500ccから1800ccと言われているのは、この唾液の分泌量と関連性があります。

咀嚼をしっかりするためには、まずは鼻呼吸がしっかりとできることが大切です。

運動について

身体の動きは常に3つの軸が重なり合い、連動しています。

(前屈・後屈)(左側屈・右側屈)(左ねじり・右ねじり)

この3つの軸がバランスを崩すと、身体のコリや歪みが生じてきて
痛みや炎症などの原因となります。

今治療院では、この3つの軸を合成し快適感覚(気持ちいい感覚)を味わう
今先生の三軸操体という原理を展開してまいりました。

この今先生の三軸操体は、池上六郎さんが表現して下さった
「三軸修正法の原理」を応用してできた操体になります。

気持ちのいい動きをしているときは
この3つの軸がうまく合成された動きになっています。

一番つらい動きから反対へ逃れる動き(前後屈)(左右側屈)(左右ねじり)
をやってみると、ある角度に気持ちのいいポイントがあることがあります。
※炎症の場合はどの動きも辛いことがあります。

その気持ちよさを丁寧に味わい、連動させながら合成していくことで
身体の歪みが自動的に修正されるようになります。

三軸操体は(前後屈)(左右側屈)(左右ねじり)
どの動きから始めてもOKです。

動き方にポイントがありますので来院された際は丁寧にお伝えさせて頂きます。

想念について

橋本 敬三先生は 「この世は極楽だ~」 といつも言っていました

生きていると
おいしかったり 楽しかったり 幸せを感じたり 有難かったり と
たくさんの美味が味わえます

同じように 痛みや発熱などで つらくて地獄のように思える苦味も味わいます
でもそのおかげで助かっていることに気づかされると これもまた味わい深い珍味です

イイことも ワルイことも しっかりと味わえばいいのです

それほどガンバラなくて もヨクバラなくても イバラなくても
ちゃんと間に合うようになっているのです
それが極楽なのです

環境について

自然環境 社会環境 家庭環境 などがあります

時には快適な環境に移動することも必要です
また快適な環境を創り上げることでもあります

そして なんとなく気持ちのいい環境に身を置くことが大切です。