不妊症

ある日、妊娠を希望している女性のクライアントさんが、
旦那さんと一緒に通院を開始されました。

今先生と私は、自分でできるセルフメンテナンスの方法や
感覚の磨き方を丁寧にお伝えしました。

とても素直なクライアントさんは、
私たちが伝えたことを一つひとつ丁寧に実践してくださいました。

次第に身体のコリは解けて、
その変化にご本人も感動されていたのが印象的でした。

3回目の来院のときに今先生は、こんなことをおっしゃいました。

「もうバランスは整ったから、次は妊娠したら電話でもちょうだい」

今先生は、すでに彼女の心と体のバランスが
しっかり整っていることを感じ取り、
あとは自然に赤ちゃんが授かるのを待つだけだと
信じていたのだと思います。
だからこそ、「妊娠したら、電話ちょうだい」とだけ伝えたのです。

その一言には、クライアントさんへの信頼と、
命の芽生えを待つ穏やかなまなざしが込められていたように感じました。

それから3週間ほどが経ったある日。
クライアントさんから一本の電話が入りました。

「先生、妊娠したみたいです」

その声は、嬉しさと驚きが混ざった、なんとも幸せそうな声でした。
「今後気をつけることを教えてほしいので、予約をお願いします」
とのこと。

後日、旦那さんと一緒に再び来院しました。

この日、クライアントさんが到着されると、
顔色が悪く、体調が優れない様子でした。

「つわりがひどくて……」

早速今先生の施術が始まります。

横向きに寝て、

「ここの股関節、押してみるとどう? 気持ちいいかな?」
「はい、気持ちがいいです」

そばで見ていた旦那さんに覚えてもらうために、
ここで旦那さんにバトンタッチ。
クライアントさんは「あぁ、気持ちいい〜」と
言いながら、自ら身体を整える動きを始めました。

青ざめていた顔色もみるみる回復していき、
いらしたときとはまるで別人のように明るくなっていました。

今貴史 著

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